今回、「フレイルとサルコペニアの定義と違いは?予防のための食事やリハビリの運動」を解説していきます。
少し前から、「サルコペニア」という言葉が聞かれるようになりましたが、近年「フレイル」という言葉が誕生しました。これらの症状が進行することで、大変なことが起こってしまうんです。
フレイルとサルコペニアの予防のための食事やリハビリの運動を解説していきますね。
では、はじめていきます。
フレイルとサルコペニアの定義と違いは?
フレイルとサルコペニアの定義比較
フレイル | サルコペニア |
認知機能の衰えなどの精神・心理的問題要介護状態の前段階 『フレイル診療ガイド2018年版』(発行ライフ・サイエンス)より |
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■フレイルとは、要介護には至っていない、すなわち自立性は失われていない段階
「平均よりも老化が進んで虚弱となっているグループを指す」
日本サルコペニア・フレイル学会代表理事の荒井秀典氏より
■サルコペニアがフレイルの引き金になる場合がある。
「骨格筋量とともに減少する歩行速度や握力と生命予後との間には密接な関係が見いだされている」
日本サルコペニア・フレイル学会 代表理事 荒井秀典
サルコペニアのチェック方法【指輪っかテスト】
フレイルの評価基準

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フレイルの評価基準(Friedら)
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- 体重減少
- 主観的疲労感
- 日常生活活動量の減少
- 身体能力(歩行速度)の減弱
- 筋力(握力)の低下
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フレイルの評価基準の5つの項目のうち、3項目以上該当した場合をフレイル、1~2項目該当した場合を前フレイル(プレフレイル)、該当項目が0の場合は健常となります。
フレイル予防のためのチェックリスト▼身体的、精神的、社会的側面とあらゆる側面が関係するんですね。
基本チェックリスト(厚生労働省作成)

チェック方法:回答欄のはい、いいえの前にある数字(0または1)を得点欄に記入する基本チェックリストの結果の見方 :基本チェックリストの結果が、下記に該当する場合、市町村が提供する介護予防事業を利用 できる可能性があります。お住まいの市町村や地域包括支援センターにご相談ください。
- 項目6~10の合計が3点以上
- 項目11~12の合計が2点
- 項目13~15の合計が2点以上
- 項目1~20の合計が10点以上
予防のための食事やリハビリの運動を解説
予防のための3つの柱
「3つの柱」は、
「栄養(食・口腔)」、「運動」、「社会参加」
予防のための食事
①まずは、自分に適した目標体重と、エネルギー量を知るところから!
以下の計算式に当てはめて求めてみてください。

②食べ方のコツを知って、習慣づけるようにしましょう。
基本は、主食・主菜・副食を揃えて、野菜から食べる習慣が大切です。

③具体的な食事の献立例について
【1800kcalの献立例】

【1600kcalの献立例】

ざっと解説してきましたが、食事だけで必要なカロリーを摂取するのは、想像以上に難しいものです。そんな時は、補助栄養を使用して無理せず、継続して必要カロリーを取ることが重要です。
こちらの記事に、詳しく載せていますので参考にしてみてください。私個人の意見としては、経腸栄養剤の医療品を使用することでコストが抑えられ、栄養バランスの良い食事となるのでおすすめです。
栄養補助食品の高齢者へおいしいおすすめ5選!甘くない品も紹介!

【タンパク質】多く含む食べ物一覧!コンビニで買えるおすすめランキング10選!

リハビリの運動

- 太ももとお尻の筋トレ(スクワット)
- 肩幅より少し広めに足を開き、手は胸の前でクロスさせます。
- 背中は伸ばしたまま、少し前に傾け、体重を太ももに乗せます。
- 4秒かけてゆっくりと立ち上がり、4秒かけてゆっくりとお尻を 突き出しながら座ります。(膝がつま先より前に出ないように)
- 10回(1セット)繰り返します。(余裕があれば2~3セット)
【注意点】 ・膝に痛みが出る場合は中止しましょう。 ・体が不安定になる人は、机などにつかまりながら行いましょう。 ・膝はつま先の方向に曲げましょう。
- 片足立ち
- 机や椅子などを持ち、内側の足(椅子に近い方)を上げます。
- 腰が反らないようおなかに力を入れ、左右それぞれの足で 60秒間片足立ちを行います。(以上を1セットとします)
- 1~2セット行います。
【注意点】 ・初めは短い時間から行いましょう。 ・必ず支えがある場所で行い、転倒しないように注意しましょう。
- ふくらはぎの筋トレ
- 肩幅に足を開き、つま先は正面に向けます。
- 2秒かけてかかとをゆっくりと背伸びするように上げます。
- 2秒かけてゆっくりと下ろします。
- 10回(1セット)繰り返します。(余裕があれば2~3セット)
【注意点】 ・太ももの内側を締め、足の親指に体重を乗せるように行いましょう。 ・必ず椅子の背もたれなどを利用しましょう。
- 膝の曲げ伸ばし運動
- 安定した椅子に腰を掛けて、片方の膝を伸ばします。
- そのまま5~10秒数えてゆっくり下します。
- これを左右ともに5~10セット行います。 ボールを挟みながら行うとより効果的です。
【注意点】 ・膝に痛みが出た場合は、休憩をはさむか無理せず終了にしましょう。・必ず椅子の背もたれなどを利用しましょう。

まとめ
今回、フレイルとサルコペニアの定義と違いは?予防のための食事やリハビリの運動を解説していきました。
近年、「サルコペニア」という言葉が聞かれるようになり、「フレイル」という言葉が誕生しました。高齢になるにつれて筋肉量が低下することが原因です。これらの症状が進行することで、解説してきたような大変なことが起こってしまうんですね。
フレイルとサルコペニアの予防のための食事やリハビリの運動を実践して、健康に長く自立した生活をしていきましょう

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