栄養

低栄養の症状は高齢者と若者で違う⁈看護計画の例を紹介!

今回は、低栄養の症状は高齢者と若者で違う⁈看護計画の例を紹介!します。

「最近、体重が減ってきたな」「なんだか元気がでない」など、食欲がなくてご飯が食べられなかったり、体力が落ちたと感じたら栄養が不足している可能性があります。

高齢になるにつれて、食が細くなったりさまざまな病気が重なって起こることでエネルギーの消費が、身体のタンパク質で補えなくなりどんどん痩せてしまいます。

痩せてしまうことで、免疫力や体力が減り病気にかかりやすく、治りにくくなってしまうんです。

低栄養の症状は高齢者と若者で違う⁈のでしょうか?看護計画の例を紹介!して、早期発見、早期治療をしていきましょう!

では、始めていきます。

低栄養の症状は高齢者と若者で違う⁈

低栄養とは?

健康的に生活するために必要な量のエネルギーやたんぱく質などの栄養素が、食事から十分に摂取できていない状態のことをいいます。

  • 体力や免疫力の低下を引き起こす
  • 要介護状態になるリスクが高い

以下のような場合は、低栄養を疑いましょう!

  • 6ヶ月間で2~3kg以上の体重減少がある
  • BMIが18.5未満の場合

BMIとは?

BMI = 体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)) 18.5未満は低栄養の危険あり

例えば、

  • 体重60kgで身長が160cmの人のBMIは、60kg÷(1.6m✖️1.6m)で約23.4kg/ m2

こちらは、正常範囲内ですね!

  • 体重40kgで身長が150cmの人のBMIは、40kg÷(1.5m✖️1.5m)で約17.7kg/ m2

こちらは、低栄養の可能性があります。対策が必要です。

拡大する場合はこちら!体重減少率早見表

BMI早見表 (36〜86kg)

月に一回は体重を測って、BMI値をチェックしてみましょう!

低栄養の症状【高齢者】

低栄養単体の症状

  • 皮膚の炎症と床ずれ
  • 骨折しやすくなる
  • 認知機能低下リスクが高い
  • 生存率が低くなる
  • 低血糖による意識障害
  • 鉄欠乏性貧血

脱水と低栄養の両方でみられる症状

  • 食欲がない
  • 口の中が乾いている
  • 皮膚が乾燥し弾力がない
  • 唾液に粘り(べたべたした感じ)がある

こちらの記事で、低栄養予防におすすめの補助栄養としての医療品・食品を紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

https://pressexpress.jp/keityoueiyouzai/

経腸栄養剤の一覧を紹介!医薬品と栄養食品の違いと使い分けをわかりやすく解説!

高齢者と若者の症状の違い

偏った食事がもたらす低栄養

食の細った状態だけでなく、カロリーがしっかり足りてむしろ“栄養過多”であっても起こりえる。いったいどういうことでしょう?

それは、「極端に偏った食事による栄養素の不足」が原因です。特に不足しやすいのはタンパク質ミネラルの不足といわれています。今、リスクが高いとされる集団は、「高齢者」、「中年男性」、そして「20代女子」とも言われています。

【1】ミドル世代の栄養障害の特徴
  • カロリー過多
  • ミネラルの不足
  • 蛋白不足

はたらき盛りで自身の健康が二の次となりやすいことが原因です。

忙しくてつい食事を抜いたり簡単に済ませたりしがちの日々、手っ取り早く腹を満たしやすいのは炭水化物。カップラーメンやスナック菓子で済ませてしまったりして、気が付いたらカロリー過多、ミネラル不足、という事態にもなりかねません。

代謝が落ちる時期に“糖質過多、タンパク質不足、野菜不足”の食習慣を続けることは、将来のリスクを抱える大きな要因となっています。

【具体的な症状】

  • 筋肉の衰え
  • 低体力

ミドル時代では“メタボリック・ドミノ”が心配の1つ。そんな人がやがて高齢になると、今度は筋肉の衰えや低体力などによる転倒内臓疾患のリスクが増してきます。

【2】20代女子の栄養障害の特徴

今、厚生労働省が最も警鐘を鳴らすのは、20代女子の栄養障害です。若い世代の栄養不足が日本で深刻な課題となりつつあります。国の将来を担う世代に増える“新型栄養障害”。さらにそれが、大切な家族や子孫にまで影響することがわかってきました。

  • 自己流ダイエットで痩せすぎ、栄養障害になる
  • 高齢者の栄養障害と違うのは、カロリーは充足しているのにタンパク質やビタミン、ミネラルが不足するケースが多いこと。

【原因】

  • 不自然なダイエット
  • 間食を中心とした不規則な食生活
  • ファストフードへの偏り
  • 日常のストレス

脂肪摂取量が多く、炭水化物の摂取量が少ない

低栄養状態の女性が母親になると、そのお子さんの食生活にまで影響が及ぶことがあります。

なんと、お母さんの低栄養は生まれてくるこどもの心臓病のリスクにつながるとも言われています!

低栄養の看護計画の例を紹介!

内容

2018.10.22より一部抜粋引用

症例

60代女性。4年前からうつ病食欲不振不眠で心療内科受診中。2年前から8 kg体重減少あり。食事が食べられず,筋力や体力が低下して手先に力が入らなくなり,生活に支障を来すようになった。

【所見】身長147 cm,体重40 kgBMI 18.5 kg/m2,Alb 3.4 g/dL,Hb 11.0 g/dL。自宅内を伝い歩きで,食事の準備の5分間程度の立位保持がやっとの状態。

進め方

ケアマネジャーが作業療法士の週に1度の訪問と,看護師の月に1度の訪問を計画しました。利用者自身の回復をサポートするためにどんな支援ができるか,訪問看護計画を立案します。

看護診断と看護の実際

  • 患者がケアへ主体的に参加できるよう看護診断についてご本人に説明する
  • 「本当はもっと孫と遊びたい」との希望を持ちつつも,思った通りには改善しない困難さを共有する
【問題点】

#1 高齢者虚弱シンドローム
【問題点】活動耐性低下,消耗性疲労,栄養摂取消費バランス異常(必要量以下),社会的孤立,歩行障害
【関連する原因】抑うつ状態に関連したモチベーションの不足,疼痛,全身の衰弱,転倒の恐怖,不活動状態

目標
一人で近くのコンビニエンスストアに買い物に行ける
介入内容
・柔軟性向上,関節可動域訓練,階段昇降,全身状態観察,自覚症状の把握と報告

#2 非効果的健康管理
【問題点】「もっと食べなさい」と指示された治療計画に対する困難感,低栄養の危険因子を減らす行動が取れない,健康目標の達成に向けて効果的でない日常生活の選択
【関連する原因】治療計画についての知識不足。「どうせ自分には無理」という無力感,転倒の不安,ベンゾジアゼピン系薬の変更や減量は不安があり拒否

目標
・現在の自身のライフスタイルと健康問題の関連性について表現する
介入内容
・「食べられない」要因について聴取,食事摂取量の把握
・服薬状況の観察,医師との薬剤調整

生活経験を振り返り,対話の中で看護計画を立案・修正します。小さな行動変容や,本人の努力,葛藤について傾聴し承認します。 患者自身が課題に気付き,解決に向けた行動を取れるよう支援することは,時間を費やしますが,信頼関係を育みます。

介入後の経過

介入3か月後,体重は40 kgで増減なし,握力も左右変化なしでした。

「医師にも家族にも食べろと言われるけど食べられない」,「とにかく全身が痛い」との訴えが続くが,介入後3か月で下腿の浮腫は改善。

栄養補助食品には興味を示すものの,購入には至りません。チョコレートなどのお菓子を運動前後につまんでいます。

自主トレーニングを頑張りすぎて息切れ,下肢の痛みが増強するなど,自身の身体の調子をみながら運動を行うことが困難です。調子の良い時は一人でコンビニエンスストアへ買い物に行けるようになりました。

また,両親の介護の経験を話されました。「一人では疲れて面倒を見きれず,施設に預けた」と後悔し,ご自身を責め続け,そこから急に食べられなくなったとのこと。

今後も他職種と情報共有し,本人のペースを尊重して回復をサポートしていきます。

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いかがだったでしょうか?

中々、原因が分かっていても簡単には「はい!これが原因なので、これをすれば治りますよ!はい、元気になりました。ありがとうございます(^ ^)」なんてことはありません。

その方の抱えている悩みや心理状態が治療をしていく上で、大きく影響を受けるんですね。

●ADL低下の原因として,栄養代謝障害を含めた複雑に絡み合う要因を追求しましょう。
●「食べられない」という訴えの奥にある真のニーズを探りましょう。
●在宅での栄養障害は原因が多岐にわたるため,結果を焦らず,わずかでも改善する余地がないか,丁寧に評価・介入しましょう。

まとめ

今回は、低栄養の症状は高齢者と若者で違う⁈看護計画の例を紹介!します。

「最近、体重が減ってきたな」「なんだか元気がでない」など、食欲がなくてご飯が食べられなかったり、体力が落ちたと感じたら栄養が不足している可能性があります。

高齢になるにつれて、食が細くなったりさまざまな病気が重なって起こることでエネルギーの消費が、身体のタンパク質で補えなくなりどんどん痩せてしまいます。

痩せてしまうことで、免疫力や体力が減り病気にかかりやすく治りにくくなってしまうんです。

低栄養の症状は高齢者と若者で違う⁈のでしょうか?看護計画の例を紹介!して、早期発見、早期治療をしていきましょう!

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