年収

言語聴覚士が年収500万円になる方法と現状の働き方について紹介します

今回は、現役の言語聴覚士の私が、年収500万円にした理由と、現状の働き方を紹介していきます。

厚生労働省による令和3年分民間給与実態統計調査では、日本の平均年収は443万円と言われています。言語聴覚士の平均年収は418.9万円(厚生労働省令和2年分民間給与実態統計調査より)と平均よりも低いのが現状です。

私の場合は、地方の総合病院に勤務していたこともありさらに低い年収でした。そこで、年収を上げたいと思い立って転職をしてから平均以下だった年収が平均を越すことができたのです。

今回の記事は、年収を上げたいけど転職する方がいいのか、頑張って管理職を目指す方が良いのかなど迷って決められない方に向けて書きました。私の経験が少しでも役に立てば嬉しいです。

では、始めていきます。

言語聴覚士が年収500万円になる方法

転職までの経過

私の年収は、地方の総合病院で働いていた頃年収は370万円ほどでした。理由としては、基本給が19万程度でそもそもが低かったからです。また、残業しても自己啓発と言われ100%残業を取得することは難しかったです。

2年目以降になっても、年に3,000円しか昇給しないので30,000円上げるのに10年かかる計算になります…

実際に知り合いのSTに総合病院の現状を聞いてもあまり変わっていないようです。

これでは、どう考えても効率が悪い上に一生懸命働いているのに見返りが低すぎてやる気を削がれてしまいます。

私の場合は、

  • 病院の新人研修
  • 学会発表の機会
  • 急性期〜生活期を経験できる

上記の点に魅力を感じていたので、地元の総合病院で切磋琢磨していました。

しかし、8年目にもなると一通り経験して他の同期との給料格差が気になってくるものです。実家からも出ようと考えていたので思い切って転職しようと考えました。

私の転職方法について

実際に転職活動を始めたばかりの頃は、PT・OT・ST WORKEやマイナビコメディカルなどのエージェントに登録して、担当の人とやり取り等や面接対策などを行おうと定期的に連絡を取っていました。

しかし、仕事終わりに電話がくるのです。しかも多数のエージェント担当の方から一度に連絡が来ます。疲れていて、何度も連絡をもらうのも申し訳ないし疲れるしで中々先に進みませんでした。

結局、

私はエージャントは使わずに転職活動を行う事にしました。独自で転職活動を行なった中で良い方法だと思ったやり方はこちらです。

 

  1. マイナビなどの大手エージェントからは応募しないで求人を検索するだけにする。求人に応募する場合は、担当者が付かないindeed介護求人ネットで行う。
  2. Googleで希望の土地周辺の検索、口コミも見る
  3. 実際に見学に行く
  4. 土日祝日休み、残業なしを条件にする
  5. 移動手段が自転車だけでなく車やバイクがあるところにする

それぞれを解説していきます。

①マイナビなどの大手エージェントからは応募しない〜の理由

①の理由は、前述でも述べたとおり”連絡が多くて面倒になりやすい”からです。

また、私が現在の職場の採用担当から教えてもらったのですが通常、人材紹介サービスでは、採用が決定した場合人材紹介会社へ紹介手数料(成功報酬)を支払います。

紹介手数料(成功報酬)は、「1人採用ごとに◯万円」と一律で決まっている場合もあれば、「採用した人材の理論年収◯%」と年収の割合で定められている場合もあります。

転職者の年収 支払うべき成功報酬額
400万円 120万円
600万円 180万円
800万円 240万円
1,000万円 300万円

※理論年収の30%を成功報酬として求める場合の試算
※理論年収に含まれる項目は人材紹介会社(エージェント)によって異なります。

年収が高い人材を採用すればする程、成功報酬も高くなります。すごい額ですよね。採用する側も手数料込みで採用を検討します。エージェントを使用して人を採用するということは、巨額の出費が伴うということです。

一方で、求人を行ってはいるものの担当が付かずに応募できるindeed介護求人ネットなどがあります。このサイトから応募すると求人を載せている企業は、少量の手数料を支払うだけで済むのです。その分、「お祝い金」として採用が決まり次第、採用側から現金などの還元が記載されている場合があります。

私も実際に3万円お給料に上乗せしていただきました。微々たるものかもしれませんが嬉しいものですよね。

使用する仲介業者の違いで、待遇も変わってきます。参考にしてみてくださいね。

Googleで希望の土地周辺の検索〜の理由

求人サイトは膨大な量の求人が出てきます。そのため、上から見て行っても疲れて途中で見なくなってしまう求人が出てきてしまいます。また、全部見ていたら沢山の時間がかかってしまいます。どうにかおすすめで良さそうな求人を時短で探したい。そんな方におすすめなのがGoogleで希望の土地周辺の検索、口コミも見ることです。

私は面倒くさがりで中々求人を隅まで見たり、時間をかけるのが苦手でした。そこで、Googleで検索してみたんです。「老健」、「訪問看護ステーション」などで検索すると求人になかった事業所などが見つかることがあります。

実際に、今の職場はGoogleで検索してから、介護求人ネットで応募しました。手数料が安くて採用できたことを喜ばれました(笑)

③実際に見学に行く〜の理由

この項目は、とても重要だと思います。良さそうなところが見つかったら、まずは見学ができるのかどうかを問い合わせてみると良いです。現場の見学をすると自分の中での転職先でのイメージが段違いに湧きやすくなります。また、一緒に働く人たちにも会えて一石二鳥以上の価値ありです。

私の場合は、1年間で合計6ヶ所ほど見学の問い合わせをして3ヶ所見学、セラピストの同行を許可してもらえました。

実際に見学に行ったところは、電動アシスト付き自転車で回るところ2ヶ所と、車で同乗して回る1ヶ所でした。実際の患者さんの様子や事業所、スタッフの雰囲気を見ることができました。

その後、面接するかどうかもどうかも強制ではなかったので、3つのうちから1つ選んで面接を希望し、採用をいただけました。

現在の言語聴覚士の需要としては採用担当者によると、足りていないとのことでタイミングによりますが、採用はされやすいようです。

④土日祝日休み、残業なしを条件にする

こちらは、個人の自由なのですが私が見学に行ったり、訪問リハビリテーション配属を経験して思うことは、固定の休みの方が気持ちが楽な上に休みをとりやすいということです。

シフト制や祝日も出勤するところは、どうしても休みが取りにくいです。同僚に代行をお願いしたり半休にするなどで対応することが多い印象でした。

⑤移動手段が自転車だけでなく車やバイクがあるところにする

私は、入職してすぐは電動アシスト式自転車で訪問をしていました。しかし、夏は暑い上に移動するだけで疲労してしまうため、訪問のスケジュールを積めることができすに沢山の患者さんを回れませんでした。

現在働いている訪問看護ステーションは車、原付、小型バイクで訪問することが許可されていたので、小型バイクの免許を取得しました。移動距離が1/2程に短縮されたため、自転車の時よりも倍の患者さんを訪問することができるようになりました。注意するべきは、言語聴覚士は他のリハビリと違い1つの事業所につき1〜2人の配属になるため、移動距離が広いことが稀ではないです。私が訪問リハビリテーションに所属していた時には、1日の移動距離の平均は80〜90kmでした。100kmを超える日もありました。

正直、訪問を経験した方に話を聞くと車移動が一番楽とのことです。私も、現状雨の日や暑い日は車で回っています。融通が効くことで気持ちが楽になっています。

年収500万以上にするには、訪問看護ステーションがおすすめ

求人情報を検索していると、年収の相場がわかってくると思いますが訪問看護ステーションは最低でも年収400万円以上のところが多いです。

私も、現在訪問看護ステーションで勤務しています。今の職場に転職してからは、年収もそうですが以前よりも自主的に他職種と連携を取ったり、行動することに磨きがかかりました。

総合病院での下積みがあったお陰だとは思っています。経験がなければ効率よく自分のペースで仕事をすることはできなかったと思います。

訪問看護ステーションで働く際のリスク・注意点

  • 緊急時対応ができるか
  • 患者さん家族が同席することが多いため、緊張感の中で堂々とリハビリができるか
  • 患者さんだけでなく、ご家族ともコミュニケーションをとったり精神面のフォローができるか
  • 移動スケジュールを効率よく組んだり、変更点等を素早く情報共有できるか

上記はいずれも患者さんの命や信用に関わる重要な項目です。想像以上にご家族が一緒に同席されるのはプレッシャーを感じるものです。質問が多かったり、評価されたり病院よりも気を配らなければいけない点は多くなります。

また、病院であれば患者さんが急変した場合に誰かしらが近くにいるものですが、訪問の場合は自分1人です。患者さん、家族がいつもと様子が違う時、明らかに状態が悪い場合は速やかに上司に報告し指示を仰ぎます。場合によっては救急車を要請することもあります。

実際に何が起きても対応できる知識と心構えが必要になります。

その点が不安だったり、プレッシャーに感じてしまう方もいて離職率は低くはないのです。

訪問看護ステーションで働くための最低限のスキル

  • ケアマネージャーさんや主治医の先生との連携・情報共有ができるコミュニケーション能力
  • 患者さん・家族と信頼関係を築く能力
  • 自主練習の提案能力

訪問に勤務すると電話をかける機会が格段に増えます。患者さんの状態変化やスケジュールの変更、何か許可をもらう際などタイムリーな情報共有が求められます。後回しにしていると信頼関係が失われやすいので注意が必要です。逆を返すと密に連絡を取っているとケアマネージャーさんやクリニックから信頼を得易くなり、依頼をくれる頻度が増えてきます。人対人の関わりなので、気に入った人に訪問を依頼するのは自然な流れですよね。

そのため、私は頻繁に電話をかけるか会いに行くようにしています。そうすることで担当の人たちと仲良くなりやすいです。後で述べますが、営業活動も兼ねたものにもなっています。

次に患者さん・家族と信頼関係を築く能力は最も重要だと思います。病院でも施設でも共通していえることですが、信頼してもらうことでリハビリの効果が上がったり提案を受け入れてもらい易くなります。特に訪問頻度が低い訪問では、短期間で信頼を築くことができないと数ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます。

自主練習の提案能力にもつながりますが、訪問は週に1〜2回程度なのでリハビリをしていない時間をどうやって過ごすかで予後が違ってきてしまいます。そのため、継続して自主練習を行なってもらえるように取り組む必要があります。

こちらの記事で、自主練習に使えるプリント等を紹介しています。参考になれば嬉しいです。

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言語聴覚士の現状の働き方について

私は、現在も訪問看護ステーションで勤務しており、徐々に患者さんが増えて2020年に入職してから2021年には年収500円となりました。

営業活動の重要性

年収500万に出来た理由としては、

一番効果的なのは営業することです。

やり方は簡単です。訪問看護ステーションは、ケアマネージャーさんから依頼をもらって訪問に伺います。そのためケアマネージャーさんの居る居宅支援事業所を検索して営業に行くのです。

こちらのサイトで居宅支援事業所を検索します。

mamoriaマモリア(mamoria)親の介護にはじめて
向き合うご家族を総合サポート

※居宅介護支援事業所は、ケアマネージャーさんが個人で経営しているところも少なくありません。潰れてしまったり、引っ越している場合も多いので行ってみて事務所がなかったことも多かったです。

実際に営業している居宅支援議業所にたどり着いたら、

  • 自分の名刺
  • 会社のパンフレット
  • 言語聴覚士の仕事内容とアピールポイントをまとめた営業チラシ(手作り)

これらをケアマネージャーさんのお渡しします。ここでポイントなのは、自分をアピールする、少しでも印象に残るようにすることです。

コツは、親しみやすさと依頼してあげたいと思ってもらうことです。

言語聴覚士として勤務したばかりであること、周辺の探索をしながら挨拶回りをしていることをお伝えすると、たわいない話しにつながりやすいです。何か困っていることはないかを伺うのも重要です。飲み込みや言葉が話しづらい方がいないかどうかも聞いておくと何をしてくれる人なのか理解され易くなります。

訪問件数について

こちらが私の平均的な訪問件数です。営業活動のおかげで順調に依頼が増えてスケジュールが埋まってきたところです。訪問件数は、平均して1日8〜9件程度でお昼は取らないことが多いです。客観的に見ると楽そうではありませんよね。

小型バイクの免許をとって、移動時間の短縮を図ったのが良かったです。バイクも会社支給なので助かっています。小型AT限定の免許は最短2日で取れます。値段は10万前後はしましたが、必要経費でした。3ヶ月くらいでペイできています。

ほとんど事務所に戻らずに外に居ることが多いです。1人が気楽でいいと私は考えているため苦になりません。また、カルテや情報もネットクラウドから参照できるので、アナログな手間がないので作業効率が良いです。

月の残業時間はほとんどなく、書類作成時に月に数時間残る程度なので家族過ごす時間も作れるし、プライベートも充実させることができています。

訪問看護ステーションは、訪問件数によってインセンティブとして給与に上乗せされる場合が多いです。私のお勧めはボーナスよりもインセンティブのあるところです。

理由としては、ボーナスで貰ってしまうと余計に税金がかかってしまうためです。就職先を選ぶ時はボーナスの有無で選ぶよりも、月の手取りと年収で選ぶと引かれる額が少なく済むため良いと思います。

訪問看護ステーションは楽ではない

単独行動のため、自己判断を要する

辞める人も多い

経験や知識は重要

まとめ

言語聴覚士の平均年収は、日本全体の平均年収以下が現状。年収を上げるには転職するのが効率が良い。

訪問看護ステーションはインセンティブ性のところが多いため年収を上げやすい。ただ、年収が高い分注意点や高度なスキルが求められるところもある。

現在、転職を考えていて、年収を500万以上にしたい方、参考になれば幸いです。

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