嚥下食

飲み込みにくい高齢者の食事摂取方法は?ポイントと注意点!

今回は、飲み込みにくい高齢者の食事摂取方法は?ポイントと注意点!を解説します。

高齢になると舌や喉の筋肉が低下する、または噛む力が弱まって硬いものはかみきれないなどの症状が出始めます。

その状態で今まで通りに食事をとっているとむせ込む、喉に詰まる感じがするなどの症状が現れます。それは、体が出しているサインです。そのサインを放置せづにきちんと対応していきましょう。

そして、何歳になっても長ーく美味しい食事を口から食べていきましょう!

飲み込みにくい高齢者の食事摂取方法は?

飲み込みにくい食事とは?

むせやすい食品 原因 対応例
水、お茶、みそ汁、ジュース等 サラサラした液体でまとまらない ・とろみをつける、ゼリー状にする
雑炊、水分を多く含むフルーツ(みかん)等 液体と固形物が混ざっている ・とろみをつける、ゼリー状にする
・ミキサーでペースト状にする
ひき肉、そぼろ、野菜のみじん切り等 バラバラ(パラパラ)でまとまらない ・とろみをつける、つなぎを利用する(図1)
きな粉、粉類等 粉が喉に張りつく ・粉を取る、水分と混ぜる
酢の物、ところてん、柑橘(かんきつ)系フルーツ・果汁等 酸味が喉を刺激する ・酸味を薄める、他の調味料や食材と混ぜる
・スムージーやゼリーにする
味噌汁、熱い汁物等 湯気が喉を刺激する ・冷ます、一口量を少なめにする
すすって食べる麺類等 噛みきれない/
麺つゆがサラサラの液体でまとまらない
・麺を3~5cm程度に切りやわらかくゆでる
・麺とつゆを分け、とろみをつけたつゆに麺をからめる
ゆで卵、カステラ、パン類等 パサパサしてのどに詰まりやすい ・油脂(バター、生クリーム、マヨネーズ、ドレッシング等)を加える
・スープや牛乳などの飲み物と交互に(または浸して)食べる

 

  • 片栗粉やコーンスターチ等「でんぷん」でとろみをつけた料理は、口の中に長く入れていると唾液に含まれるアミラーゼがでんぷんを分解し、とろみがなくなってしまうので気をつけましょう。

飲み込み易くするには?

  • シチュー、カレー、あんかけ等とろみがついているものは、家族と同じ食事の具を一口大にやわらかく煮ておくと、作り分けをしなくても一緒に食べられます。
  • 納豆、オクラ、山芋、昆布など、食材そのものが持つ粘りやとろみも利用できます。
  • パサつきやすいゆで卵や衣が食べにくいフライ等は、マヨネーズやタルタルソースを利用すると、しっとりして食べやすくカロリーもプラスできます。

食べ易くする方法

交互嚥下(こうごえんげ)

  • 口の中に残りやすい方は、水分で口の中をきれいにしてから次の一口を食べると安全です。

食具を変える

  • 箸を上手く使えない、上手く食品をすくえない、耐えこぼす場合は、食具が自分に合っていません。別の記事におすすめのものを載せたので、参考にしてみてください(^ ^)

こちらの記事で自助具のスプーンについてまとめています(^ ^)

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飲み込みにくい高齢者の食事摂取方法のポイントと注意点!

何よりも姿勢が大事!

私たちにも当てはまりますが、寝ながら食べたりずっこけて食べていると食品が変なところに入ってむせ込むことがあります。

高齢になるとさらに注意する必要があり、姿勢をちょっと正す、工夫するだけでむせが少なくなるということは多くあります。

  • 背もたれのある椅子に深く腰掛ける
  • 足の底をしっかり床につける
  • 股関節とひざは直角になるように椅子を選ぶ
  • 前かがみになって顎を引く
  • テーブルが高すぎないよう調節
  • テーブルとお腹の間に握りこぶし一つ分の余裕
  • 背中が丸まって、顔が上をむき気味になっている
  • 机が低すぎて、あごを前に突き出すように食べている
  • 体が横に傾いている
  • 足が浮いている

【いすでの食事(座位)】

いすでの食べやすい姿勢と食べにくい姿勢

【ベッドでの食事(リクライニング位)】

ベッドでの食べやすい姿勢と食べにくい姿勢

※「食べやすい姿勢」には個人差があります

  • 特にベッドで食べる方は、実際に食べてみてむせ込みがなくなる角度に調節する方が良いです
  • 座っていてむせる方は、ベッドに移ってリクライニングをかけることでムセなくなることがあります。
  • 椅子にこだわらず、リクライニング車椅子なども試すとより自分にあった姿勢が見つかります。

事前準備をしましょう!

いきなり食べ始めると、喉がびっくりしてしまいます。運動する時と同じように準備体操をすることで体(喉、舌)はスムーズに動いてくれますよ!

嚥下体操

  1. 01. 姿勢
    まずは、姿勢を整えて座り、全身の筋肉バランスを整えます。
  2. 02. 深呼吸
    鼻から吸って、お口から吐きます。長く息を吐くようにしましょう。
    嚥下体操を始める前に、気持ちや緊張した筋肉をリラックスさせます。
  3. 03. 首の体操
    嚥下に関係する筋肉は、首に多く集中しています。
    筋肉をゆっくり動かして筋肉をほぐすことで、食べる準備を始めます。
  4. 04. 肩の体操
    息を吸いながら肩を引き上げて、スッと力を抜くように息を吐きながら肩を下げます。
  5. 05. 口の体操
    お口の周りの筋肉をほぐし、動かすためのトレーニングです。大げさにお口を動かしましょう。
  6. 06. 頬の体操
    お口の中に空気をため、ほほを内側から膨らませる筋肉のトレーニングです。しっかり噛むために、また、食べこぼし防止や、鼻へ食べ物が流れ込むのを防ぎます。
  7. 07. 舌の体操
    食べること、そして発音をするために欠かせない舌。咀嚼時、嚥下時の舌の動きを保つことができます。
  8. 08. 発音練習
    「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、唇や舌を動かします。唇、舌の動きを目的別にトレーニングします。
  9. 09. 咳ばらい
    誤嚥した際に、むせるためのトレーニングです。
    やりすぎてしまうと喉を痛めることもあるので2~3回程度でかまいません。

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注意点として

  • 食事は楽しむもの!

姿勢や食べ方を気にしすぎて、食べることが楽しくなくならないように気をつけてくださいね。一番は、リラックスして食べる!が、一番です(^ ^) 

  • 「食べない・動かない」の悪循環を断つ

食べると苦しいのであまり食べない⇒食べる量が減る⇒体力・気力が低下し、体を動かさなくなる⇒お腹が減らない⇒食べる量が減る・・・を繰り返していると、低栄養と身体機能低下の悪循環に陥ってしまいます。むせにくい食事を用意するだけでなく、食欲がわく工夫や自然に体を動かすような工夫も考えてみましょう。

  • 市販の介護食品を取り入れる

作る人も食べる人も、ちょっと目先を変えて市販の介護食品を取り入れてみませんか? 食べる機能のレベルに合わせて、適度なとろみがついている食品や、舌や歯茎でもつぶせるやわらかさの調理済み食品は、そのままでも湯せん等で温めても食べられます。いつもの献立に1品追加してみたり、通常のおかずをアレンジするのに使ったりすると、食事のバリエーションも増えて食卓がより豊かになります(^-^)

こちらの記事で詳しい食事形態の分類を説明しています。

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まとめ

今回は、飲み込みにくい高齢者の食事摂取方法は?ポイントと注意点!を解説しました。

高齢になると舌や喉の筋肉が低下する、または噛む力が弱まって硬いものはかみきれないなどの症状が出始めます。

食事をとっているとむせ込む、喉に詰まる感じがするなどの症状が現れたら、そのサインを放置せづにきちんと対応していきましょう。

まずは、

  • 食べやすい食事にする
  • 姿勢を整える
  • 準備をする

何歳になっても長ーく美味しい食事を口から食べていきましょう!(^ ^)

 

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